17.5. subprocess — サブプロセス管理

ソースコード: Lib/subprocess.py


subprocess モジュールは新しいプロセスの開始、入力/出力/エラーパイプの接続、リターンコードの取得を可能とします。このモジュールは以下の古いモジュールや関数を置き換えることを目的としています:

os.system
os.spawn*

これらのモジュールや関数の代わりに、subprocess モジュールをどのように使うかについてを以下の節で説明します。

参考

PEP 324 – subprocess モジュールを提案している PEP

17.5.1. subprocess モジュールを使う

サブプロセスを起動する推奨手段は、すべての用法を扱える run() 関数を使用することです。より高度な用法では下層の Popen インターフェースを直接使用することもできます。

run() 関数は Python 3.5 で追加されました; 過去のバージョンとの互換性の維持が必要な場合は、古い高水準 API 節をご覧ください。

subprocess.run(args, *, stdin=None, input=None, stdout=None, stderr=None, shell=False, cwd=None, timeout=None, check=False, encoding=None, errors=None)

args で指定されたコマンドを実行します。コマンドの完了を待って、CompletedProcess インスタンスを返します。

上記の引数は、もっともよく使われるものだけ示しており、後述の よく使われる引数 で説明されています (そのためここではキーワード表記のみの使用法に省略されています)。関数の全使用法を説明しても大部分が Popen コンストラクターの内容と同じになります - timeoutinput および check は除き、この関数の全引数は Popen インターフェースに渡されます。

デフォルトでは、標準出力や標準エラー出力を捕捉しません。捕捉したい場合は stdout または/および stderr 引数に PIPE を渡してください。

引数 timeoutPopen.communicate() に渡されます。タイムアウトが発生すると、子プロセスは kill され、待機されます。子プロセスが中断されたあと TimeoutExpired が再び送出されます。

The input argument is passed to Popen.communicate() and thus to the subprocess’s stdin. If used it must be a byte sequence, or a string if encoding or errors is specified or universal_newlines is true. When used, the internal Popen object is automatically created with stdin=PIPE, and the stdin argument may not be used as well.

check に真を指定した場合、プロセスが非ゼロの終了コードで終了すると CalledProcessError 例外が送出されます。 この例外の属性には、引数、終了コード、標準出力および標準エラー出力が捕捉できた場合に格納されます。

If encoding or errors are specified, or universal_newlines is true, file objects for stdin, stdout and stderr are opened in text mode using the specified encoding and errors or the io.TextIOWrapper default. Otherwise, file objects are opened in binary mode.

例:

>>> subprocess.run(["ls", "-l"])  # doesn't capture output
CompletedProcess(args=['ls', '-l'], returncode=0)

>>> subprocess.run("exit 1", shell=True, check=True)
Traceback (most recent call last):
  ...
subprocess.CalledProcessError: Command 'exit 1' returned non-zero exit status 1

>>> subprocess.run(["ls", "-l", "/dev/null"], stdout=subprocess.PIPE)
CompletedProcess(args=['ls', '-l', '/dev/null'], returncode=0,
stdout=b'crw-rw-rw- 1 root root 1, 3 Jan 23 16:23 /dev/null\n')

バージョン 3.5 で追加.

バージョン 3.6 で変更: Added encoding and errors parameters

class subprocess.CompletedProcess

run() の戻り値。プロセスが終了したことを表します。

args

プロセスを起動するときに使用された引数。1 個のリストか 1 個の文字列になります。

returncode

子プロセスの終了コード。一般に、終了ステータス 0 はプロセスが正常に終了したことを示します。

負の値 -N は子プロセスがシグナル N により中止させられたことを示します (POSIX のみ)。

stdout

Captured stdout from the child process. A bytes sequence, or a string if run() was called with an encoding or errors. None if stdout was not captured.

プロセスが stderr=subprocess.STDOUT で実行された場合、標準出力と標準エラー出力が混合されたものがこの属性に格納され、stderrNone になります。

stderr

Captured stderr from the child process. A bytes sequence, or a string if run() was called with an encoding or errors. None if stderr was not captured.

check_returncode()

returncode が非ゼロの場合、CalledProcessError が送出されます。

バージョン 3.5 で追加.

subprocess.DEVNULL

Popenstdin, stdout, stderr 引数に渡して、標準入出力を os.devnull から入出力するように指定するための特殊値です。

バージョン 3.3 で追加.

subprocess.PIPE

Popenstdin, stdout, stderr 引数に渡して、標準ストリームに対するパイプを開くことを指定するための特殊値です。Popen.communicate() に非常に有用です。

subprocess.STDOUT

Popenstderr 引数に渡して、標準エラー出力が標準出力と同じハンドルに出力されるように指定するための特殊値です。

exception subprocess.SubprocessError

このモジュールの他のすべての例外のための基底クラスです。

バージョン 3.3 で追加.

exception subprocess.TimeoutExpired

SubprocessError のサブクラスです。子プロセスの終了を待機している間にタイムアウトが発生した場合に送出されます。

cmd

子プロセスの生成に使用されるコマンド本文。

timeout

タイムアウト秒数。

output

run() または check_output() によって捕捉された子プロセスの出力。捕捉されなかったら None になります。

stdout

output の別名。stderr と対になります。

stderr

run() によって捕捉された子プロセスの標準エラー出力。捕捉されなかったら None になります。

バージョン 3.3 で追加.

バージョン 3.5 で変更: 属性 stdout および stderr が追加されました。

exception subprocess.CalledProcessError

SubprocessError のサブクラスです。check_call() または check_output() によって実行されたプロセスが非ゼロの終了ステータスを返した場合に送出されます。

returncode

子プロセスの終了ステータスです。もしプロセスがシグナルによって終了したなら、これは負のシグナル番号になります。

cmd

子プロセスの生成に使用されるコマンド本文。

output

run() または check_output() によって捕捉された子プロセスの出力。捕捉されなかったら None になります。

stdout

output の別名。stderr と対になります。

stderr

run() によって捕捉された子プロセスの標準エラー出力。捕捉されなかったら None になります。

バージョン 3.5 で変更: 属性 stdout および stderr が追加されました。

17.5.1.1. よく使われる引数

幅広い使用例をサポートするために、Popen コンストラクター (とその他の簡易関数) は、多くのオプション引数を受け付けます。一般的な用法については、これらの引数の多くはデフォルト値のままで問題ありません。通常必要とされる引数は以下の通りです:

args はすべての呼び出しに必要で、文字列あるいはプログラム引数のシーケンスでなければなりません。一般に、引数のシーケンスを渡す方が望ましいです。なぜなら、モジュールが必要な引数のエスケープやクオート (例えばファイル名中のスペースを許すこと) の面倒を見ることができるためです。単一の文字列を渡す場合、shellTrue でなければなりません (以下を参照)。もしくは、その文字列は引数を指定せずに実行される単なるプログラムの名前でなければなりません。

stdin, stdout および stderr には、実行するプログラムの標準入力、標準出力、および標準エラー出力のファイルハンドルをそれぞれ指定します。有効な値は PIPEDEVNULL、既存のファイル記述子 (正の整数)、既存のファイルオブジェクトおよび None です。PIPE を指定すると新しいパイプが子プロセスに向けて作られます。DEVNULL を指定すると特殊ファイル os.devnull が使用されます。デフォルト設定の None を指定するとリダイレクトは起こりません。子プロセスのファイルハンドルはすべて親から受け継がれます。加えて、stderrSTDOUT にすると、子プロセスの stderr からの出力は stdout と同じファイルハンドルに出力されます。

If encoding or errors are specified, or universal_newlines is true, the file objects stdin, stdout and stderr will be opened in text mode using the encoding and errors specified in the call or the defaults for io.TextIOWrapper.

For stdin, line ending characters '\n' in the input will be converted to the default line separator os.linesep. For stdout and stderr, all line endings in the output will be converted to '\n'. For more information see the documentation of the io.TextIOWrapper class when the newline argument to its constructor is None.

If text mode is not used, stdin, stdout and stderr will be opened as binary streams. No encoding or line ending conversion is performed.

バージョン 3.6 で追加: Added encoding and errors parameters.

注釈

ファイルオブジェクト Popen.stdinPopen.stdout ならびに Popen.stderr の改行属性は Popen.communicate() メソッドで更新されません。

shellTrue なら、指定されたコマンドはシェルによって実行されます。あなたが Python を主として (ほとんどのシステムシェル以上の) 強化された制御フローのために使用していて、さらにシェルパイプ、ファイル名ワイルドカード、環境変数展開、~ のユーザーホームディレクトリへの展開のような他のシェル機能への簡単なアクセスを望むなら、これは有用かもしれません。しかしながら、Python 自身が多くのシェル的な機能の実装を提供していることに注意してください (特に glob, fnmatch, os.walk(), os.path.expandvars(), os.path.expanduser(), shutil)。

バージョン 3.3 で変更: universal_newlinesTrue の場合、クラスはエンコーディング locale.getpreferredencoding() の代わりに locale.getpreferredencoding(False) を使用します。この変更についての詳細は、 io.TextIOWrapper クラスを参照してください。

注釈

shell=True を使う前に セキュリティで考慮すべき点 を読んでください。

これらのオプションは、他のすべてのオプションとともに Popen コンストラクターのドキュメントの中でより詳細に説明されています。

17.5.1.2. Popen コンストラクター

このモジュールの中で、根底のプロセス生成と管理は Popen クラスによって扱われます。簡易関数によってカバーされないあまり一般的でないケースを開発者が扱えるように、Popen クラスは多くの柔軟性を提供しています。

class subprocess.Popen(args, bufsize=-1, executable=None, stdin=None, stdout=None, stderr=None, preexec_fn=None, close_fds=True, shell=False, cwd=None, env=None, universal_newlines=False, startupinfo=None, creationflags=0, restore_signals=True, start_new_session=False, pass_fds=(), *, encoding=None, errors=None)

新しいプロセスで子のプログラムを実行します。POSIX においては、子のプログラムを実行するために、このクラスは os.execvp() のような挙動を使用します。Windows においては、このクラスは Windows の CreateProcess() 関数を使用します。Popen への引数は以下の通りです。

args はプログラム引数のシーケンスか、単一の文字列でなければなりません。デフォルトでは、args がシーケンスの場合に実行されるプログラムは args の最初の要素です。args が文字列の場合、解釈はプラットフォーム依存であり、下記に説明されます。デフォルトの挙動からの追加の違いについては shell および executable 引数を参照してください。特に明記されない限り、args をシーケンスとして渡すことが推奨されます。

POSIX 上では、args が文字列の場合、その文字列は実行すべきプログラムの名前またはパスとして解釈されます。しかし、これはプログラムに引数を渡さない場合にのみ可能です。

注釈

args を正しくトークン化するには、shlex.split() が便利です。このメソッドは特に複雑な状況で活躍します:

>>> import shlex, subprocess
>>> command_line = input()
/bin/vikings -input eggs.txt -output "spam spam.txt" -cmd "echo '$MONEY'"
>>> args = shlex.split(command_line)
>>> print(args)
['/bin/vikings', '-input', 'eggs.txt', '-output', 'spam spam.txt', '-cmd', "echo '$MONEY'"]
>>> p = subprocess.Popen(args) # Success!

特に注意すべき点は、シェル内でスペースで区切られたオプション (-input など) と引数 (eggs.txt など) はリストの別々の要素になるのに対し、シェル内で (上記のスペースを含むファイル名や echo コマンドのように) クォーティングやバックスラッシュエスケープが必要なものは単一のリスト要素であることです。

Windows 上では、args がシーケンスなら Windows における引数シーケンスから文字列への変換 に記述された方法で文字列に変換されます。これは根底の CreateProcess() が文字列上で動作するからです。

shell 引数 (デフォルトでは False) は、実行するプログラムとしてシェルを使用するかどうかを指定します。 shellTrue の場合、 args をシーケンスとしてではなく文字列として渡すことが推奨されます。

POSIX で shell=True の場合、シェルのデフォルトは /bin/sh になります。args が文字列の場合、この文字列はシェルを介して実行されるコマンドを指定します。したがって、文字列は厳密にシェルプロンプトで打つ形式と一致しなければなりません。例えば、文字列の中にスペースを含むファイル名がある場合は、クォーティングやバックスラッシュエスケープが必要です。args がシーケンスの場合には、最初の要素はコマンド名を表わす文字列として、残りの要素は追加の引数としてシェルに渡されます。つまり、以下の Popen と等価ということです:

Popen(['/bin/sh', '-c', args[0], args[1], ...])

Windows で shell=True とすると、COMSPEC 環境変数がデフォルトシェルを指定します。Windows で shell=True を指定する必要があるのは、実行したいコマンドがシェルに組み込みの場合だけです (例えば dircopy)。バッチファイルやコンソールベースの実行ファイルを実行するために shell=True は必要ありません。

注釈

shell=True を使う前に セキュリティで考慮すべき点 を読んでください。

bufsize は標準入力/標準出力/標準エラー出力パイプファイルオブジェクトを生成するときに open() 関数の対応する引数に渡されます:

  • 0 はバッファーされないことを意味します (読み込みおよび書き出しのたびにシステムコールが行われ、すぐに復帰します)。
  • 1 はラインバッファーを意味します (universal_newlines=True、すなわちテキストモードの場合のみ使用可能)。
  • それ以外の正の整数はバッファーのおよそのサイズになることを意味します。
  • 負のサイズ (デフォルト) は io.DEFAULT_BUFFER_SIZE のシステムデフォルトが使用されることを意味します。

バージョン 3.3.1 で変更: ほとんどのコードが期待する振る舞いに合わせてデフォルトでバッファリングが有効となるよう bufsize のデフォルト値が -1 になりました。Python 3.2.4 および 3.3.1 より前のバージョンでは、誤ってバッファーされず短い読み込みを許可する 0 がデフォルトになっていました。これは意図したものではなく、ほとんどのコードが期待する Python 2 での振る舞いとも一致していませんでした。

executable 引数は、実行する置換プログラムを指定します。これが必要になるのは極めて稀です。shell=False のときは、executableargs で指定されている実行プログラムを置換します。しかし、オリジナルの args は依然としてプログラムに渡されます。ほとんどのプログラムは、args で指定されたプログラムをコマンド名として扱います。そして、それは実際に実行されたプログラムとは異なる可能性があります。POSIX において、ps のようなユーティリティの中では、args 名が実行ファイルの表示名になります。shell=True の場合、POSIX において executable 引数はデフォルトの /bin/sh に対する置換シェルを指定します。

stdinstdout および stderr には、実行するプログラムの標準入力、標準出力、および標準エラー出力のファイルハンドルをそれぞれ指定します。有効な値は PIPE, DEVNULL, 既存のファイル記述子 (正の整数)、既存の ファイルオブジェクト 、そして None です。PIPE を指定すると新しいパイプが子プロセスに向けて作られます。DEVNULL を指定すると特殊ファイル os.devnull が使用されます。デフォルト設定の None を指定するとリダイレクトは起こりません。子プロセスのファイルハンドルはすべて親から受け継がれます。加えて、stderrSTDOUT にすると、子プロセスの標準エラー出力からの出力は標準出力と同じファイルハンドルに出力されます。

preexec_fn に呼び出し可能オブジェクトが指定されている場合、このオブジェクトは子プロセスが実行される直前 (fork されたあと、exec される直前) に子プロセス内で呼ばれます。(POSIXのみ)

警告

アプリケーション中に複数のスレッドが存在する状態で preexec_fn 引数を使用するのは安全ではありません。exec が呼ばれる前に子プロセスがデッドロックを起こすことがあります。それを使用しなければならない場合、プログラムを自明なものにしておいてください! 呼び出すライブラリの数を最小にしてください。

注釈

子プロセスのために環境を変更する必要がある場合は、preexec_fn の中でそれをするのではなく env 引数を使用します。start_new_session 引数は、子プロセスの中で os.setsid() を呼ぶ過去の一般的な preexec_fn の使用方法の代わりになります。

close_fds が真の場合、子プロセスが実行される前に 0, 1, 2 以外のすべてのファイル記述子が閉じられます (POSIXのみ)。デフォルトはプラットフォームによって異なります: POSIX では常に真です。 Windows では stdin/stdout/stderrNone のときに真で、None 以外なら偽です。Windows で close_fds が真の場合、すべてのファイルハンドルは子プロセスに引き継がれません。 Windows の場合、close_fds を真にしながら、stdin, stdout, stderr を利用して標準ハンドルをリダイレクトすることはできません。

バージョン 3.2 で変更: close_fds のデフォルトは、False から上記のものに変更されました。

pass_fds はオプションで、親と子の間で開いたままにしておくファイル記述子のシーケンスを指定します。何らかの pass_fds を渡した場合、close_fds は強制的に True になります。(POSIXのみ)

バージョン 3.2 で追加: pass_fds 引数が追加されました。

If cwd is not None, the function changes the working directory to cwd before executing the child. cwd can be a str and path-like object. In particular, the function looks for executable (or for the first item in args) relative to cwd if the executable path is a relative path.

バージョン 3.6 で変更: cwd parameter accepts a path-like object.

restore_signals が真の場合 (デフォルト)、Python が SIG_IGN に設定したすべてのシグナルは子プロセスが exec される前に子プロセスの SIG_DFL に格納されます。現在これには SIGPIPE, SIGXFZ および SIGXFSZ シグナルが含まれています。(POSIX のみ)

バージョン 3.2 で変更: restore_signals が追加されました。

start_new_session が真の場合、サブプロセスの実行前に子プロセス内で setsid() システムコールが作成されます。(POSIX のみ)

バージョン 3.2 で変更: start_new_session が追加されました。

envNone 以外の場合、これは新しいプロセスでの環境変数を定義します。デフォルトでは、子プロセスは現在のプロセスの環境変数を引き継ぎます。

注釈

env を指定する場合、プログラムを実行するのに必要な変数すべてを与えなければなりません。Windows で Side-by-Side アセンブリ を実行するためには、env は正しい SystemRoot含まなければなりません

If encoding or errors are specified, the file objects stdin, stdout and stderr are opened in text mode with the specified encoding and errors, as described above in よく使われる引数. If universal_newlines is True, they are opened in text mode with default encoding. Otherwise, they are opened as binary streams.

バージョン 3.6 で追加: encoding and errors were added.

startupinfo は、基底の CreateProcess 関数に渡される STARTUPINFO オブジェクトになります。creationflags は、与えられるなら、CREATE_NEW_CONSOLE または CREATE_NEW_PROCESS_GROUP にできます。(Windows のみ)

Popen オブジェクトは with 文によってコンテキストマネージャーとしてサポートされます: 終了時には標準ファイル記述子が閉じられ、プロセスを待機します:

with Popen(["ifconfig"], stdout=PIPE) as proc:
    log.write(proc.stdout.read())

バージョン 3.2 で変更: コンテキストマネージャーサポートが追加されました。

バージョン 3.6 で変更: Popen destructor now emits a ResourceWarning warning if the child process is still running.

17.5.1.3. 例外

子プロセス内で送出された例外は、新しいプログラムの実行開始の前に親プロセスで再送出されます。さらに、この例外オブジェクトには child_traceback という属性が追加されています。この属性は子プロセスの視点からの traceback 情報が格納された文字列です。

もっとも一般的に起こる例外は OSError です。これは、たとえば存在しないファイルを実行しようとしたときなどに発生します。アプリケーションは OSError 例外に備えておかなければなりません。

不正な引数で Popen が呼ばれた場合は ValueError が発生します。

呼び出されたプロセスが非ゼロのリターンコードを返した場合 check_call()check_output()CalledProcessError を送出します。

call()Popen.communicate() のような timeout 引数を受け取るすべての関数とメソッドは、プロセスが終了する前にタイムアウトが発生した場合に TimeoutExpired を送出します。

このモジュールで定義されたすべての例外は SubprocessError を継承しています。

バージョン 3.3 で追加: SubprocessError 基底クラスが追加されました。

17.5.2. セキュリティで考慮すべき点

その他一部の popen 関数と異なり、この実装は暗黙的にシステムシェルを呼び出すことはありません。これはシェルのメタ文字を含むすべての文字が子プロセスに安全に渡されることを意味します。shell=True でシェルを明示的に呼びだした場合、シェルインジェクション の脆弱性に対処するための、すべての空白やメタ文字の適切なクオートの保証はアプリケーションの責任になります。

shell=True を使用するときは、シェルコマンドで使用される文字列の空白やメタ文字は shlex.quote() 関数を使うと正しくエスケープできます。

17.5.3. Popen オブジェクト

Popen クラスのインスタンスには、以下のようなメソッドがあります:

Popen.poll()

Check if child process has terminated. Set and return returncode attribute. Otherwise, returns None.

Popen.wait(timeout=None)

子プロセスが終了するまで待ちます。returncode 属性を設定して返します。

プロセスが timeout 秒後に終了してない場合、TimeoutExpired 例外を送出します。この例外を捕捉して wait を再試行するのは安全です。

注釈

stdout=PIPEstderr=PIPE を使っていて、より多くのデータを受け入れるために OS のパイプバッファーをブロックしているパイプに子プロセスが十分な出力を生成した場合、デッドロックが発生します。これを避けるには Popen.communicate() を使用してください。

注釈

この関数はビジーループ (非ブロック化呼び出しと短いスリープ) を使用して実装されています。非同期の待機には asyncio モジュールを使用してください (asyncio.create_subprocess_exec を参照)。

バージョン 3.3 で変更: timeout が追加されました

バージョン 3.4 で撤廃: endtime 引数を使用しないでください。これは意図せず Python 3.3 で公開されてしまいましたが、内部利用のためのものであり、ドキュメント化されていません。この用途には timeout を使用してください。

Popen.communicate(input=None, timeout=None)

Interact with process: Send data to stdin. Read data from stdout and stderr, until end-of-file is reached. Wait for process to terminate. The optional input argument should be data to be sent to the child process, or None, if no data should be sent to the child. If streams were opened in text mode, input must be a string. Otherwise, it must be bytes.

communicate() returns a tuple (stdout_data, stderr_data). The data will be strings if streams were opened in text mode; otherwise, bytes.

子プロセスの標準入力にデータを送りたい場合は、 Popen オブジェクトを stdin=PIPE と指定して作成しなければなりません。同じく、戻り値のタプルから None ではない値を取得するためには、 stdout=PIPE かつ/または stderr=PIPE を指定しなければなりません。

プロセスが timeout 秒後に終了してない場合、TimeoutExpired 例外が送出されます。この例外を捕捉して通信を再試行しても出力データは失われません。

タイムアウトが発生した場合子プロセスは kill されません。したがって、適切にクリーンアップを行うために、正常に動作するアプリケーションは子プロセスを kill して通信を終了すべきです:

proc = subprocess.Popen(...)
try:
    outs, errs = proc.communicate(timeout=15)
except TimeoutExpired:
    proc.kill()
    outs, errs = proc.communicate()

注釈

受信したデータはメモリにバッファーされます。そのため、返されるデータが大きいかあるいは制限がないような場合はこのメソッドを使うべきではありません。

バージョン 3.3 で変更: timeout が追加されました

Popen.send_signal(signal)

signal シグナルを子プロセスに送ります。

注釈

Windows では、SIGTERM は terminate() の別名です。CTRL_C_EVENT と CTRL_BREAK_EVENT を、CREATE_NEW_PROCESS_GROUP を含む creationflags で始まった、プロセスに送れます。

Popen.terminate()

子プロセスを停止します。Posix OS では、このメソッドは SIGTERM シグナルを子プロセスに送ります。Windows では、Win32 API の TerminateProcess() 関数を利用して子プロセスを止めます。

Popen.kill()

子プロセスを kill します。Posix OS では SIGKILL シグナルを子プロセスに送ります。Windows では、kill()terminate() の別名です。

以下の属性も利用可能です:

Popen.args

Popen に渡された引数 args です – プログラム引数のシーケンスまたは 1 個の文字列になります。

バージョン 3.3 で追加.

Popen.stdin

If the stdin argument was PIPE, this attribute is a writeable stream object as returned by open(). If the encoding or errors arguments were specified or the universal_newlines argument was True, the stream is a text stream, otherwise it is a byte stream. If the stdin argument was not PIPE, this attribute is None.

Popen.stdout

If the stdout argument was PIPE, this attribute is a readable stream object as returned by open(). Reading from the stream provides output from the child process. If the encoding or errors arguments were specified or the universal_newlines argument was True, the stream is a text stream, otherwise it is a byte stream. If the stdout argument was not PIPE, this attribute is None.

Popen.stderr

If the stderr argument was PIPE, this attribute is a readable stream object as returned by open(). Reading from the stream provides error output from the child process. If the encoding or errors arguments were specified or the universal_newlines argument was True, the stream is a text stream, otherwise it is a byte stream. If the stderr argument was not PIPE, this attribute is None.

警告

.stdin.write, .stdout.read, .stderr.read を利用すると、別のパイプの OS パイプバッファーがいっぱいになってデッドロックが発生する恐れがあります。これを避けるためには communicate() を利用してください。

Popen.pid

子プロセスのプロセス ID が入ります。

shell 引数を True に設定した場合は、生成されたシェルのプロセス ID になります。

Popen.returncode

poll()wait() (か、間接的に communicate()) から設定された、子プロセスの終了ステータスが入ります。None はまだその子プロセスが終了していないことを示します。

負の値 -N は子プロセスがシグナル N により中止させられたことを示します (POSIX のみ)。

17.5.4. Windows Popen ヘルパー

STARTUPINFO クラスと以下の定数は、Windows のみで利用できます。

class subprocess.STARTUPINFO

Popen の生成に使われる Windows STARTUPINFO 構造の部分的なサポートです。

dwFlags

特定の STARTUPINFO の属性が、プロセスがウィンドウを生成するときに使われるかを決定するビットフィールドです:

si = subprocess.STARTUPINFO()
si.dwFlags = subprocess.STARTF_USESTDHANDLES | subprocess.STARTF_USESHOWWINDOW
hStdInput

dwFlagsSTARTF_USESTDHANDLES を指定すれば、この属性がプロセスの標準入力処理です。STARTF_USESTDHANDLES が指定されなければ、標準入力のデフォルトはキーボードバッファーです。

hStdOutput

dwFlagsSTARTF_USESTDHANDLES を指定すれば、この属性がプロセスの標準出力処理です。そうでなければ、この属性は無視され、標準出力のデフォルトはコンソールウィンドウのバッファーです。

hStdError

dwFlagsSTARTF_USESTDHANDLES を指定すれば、この属性がプロセスの標準エラー処理です。そうでなければ、この属性は無視され、標準エラー出力のデフォルトはコンソールウィンドウのバッファーです。

wShowWindow

dwFlagsSTARTF_USESHOWWINDOW を指定すれば、この属性は ShowWindow 関数の nCmdShow 引数で指定された値なら、 SW_SHOWDEFAULT 以外の任意のものにできます。しかし、この属性は無視されます。

この属性には SW_HIDE が提供されています。これは、Popenshell=True として呼び出されたときに使われます。

17.5.4.1. 定数

subprocess モジュールは、以下の定数を公開しています。

subprocess.STD_INPUT_HANDLE

標準入力デバイスです。この初期値は、コンソール入力バッファ、 CONIN$ です。

subprocess.STD_OUTPUT_HANDLE

標準出力デバイスです。この初期値は、アクティブコンソールスクリーン、 CONOUT$ です。

subprocess.STD_ERROR_HANDLE

標準エラーデバイスです。この初期値は、アクティブコンソールスクリーン、 CONOUT$ です。

subprocess.SW_HIDE

ウィンドウを隠します。別のウィンドウがアクティブになります。

subprocess.STARTF_USESTDHANDLES

追加情報を保持する、STARTUPINFO.hStdInput, STARTUPINFO.hStdOutput, および STARTUPINFO.hStdError 属性を指定します。

subprocess.STARTF_USESHOWWINDOW

追加情報を保持する、 STARTUPINFO.wShowWindow 属性を指定します。

subprocess.CREATE_NEW_CONSOLE

新しいプロセスが、親プロセスのコンソールを継承する (デフォルト) のではなく、新しいコンソールを持ちます。

subprocess.CREATE_NEW_PROCESS_GROUP

新しいプロセスグループが生成されることを指定する Popen creationflags パラメーターです。このフラグは、サブプロセスで os.kill() を使うのに必要です。

CREATE_NEW_CONSOLE が指定されていたら、このフラグは無視されます。

17.5.5. 古い高水準 API

Python 3.5 より前のバージョンでは、サブプロセスに対して以下の 3 つの関数からなる高水準 API が用意されていました。現在多くの場合 run() の使用で済みますが、既存の多くのコードではこれらの関数が使用されています。

subprocess.call(args, *, stdin=None, stdout=None, stderr=None, shell=False, cwd=None, timeout=None)

args で指定されたコマンドを実行します。コマンドの終了を待ち、returncode 属性を返します。

これは次と等価です:

run(...).returncode

(input および check 引数がサポートされていない点を除いて)

上記の引数は、もっともよく使われるものだけ示しています。関数の全使用法は大部分が Popen コンストラクターの内容と同じになります - この関数は、このインターフェースに直接指定される timeout 以外は与えられた全引数を渡します。

注釈

この関数を使用する際は stdout=PIPE および stderr=PIPE を使用しないでください。子プロセスが OS のパイプバッファーを埋めてしまうほどの出力データを生成した場合、パイプからは読み込まれないので、子プロセスがブロックされることがあります。

バージョン 3.3 で変更: timeout が追加されました

subprocess.check_call(args, *, stdin=None, stdout=None, stderr=None, shell=False, cwd=None, timeout=None)

指定された引数でコマンドを実行し、完了を待ちます。コマンドのリターンコードがゼロならば返りますが、非ゼロなら CalledProcessError 例外が送出されます。CalledProcessError オブジェクトにはリターンコードが returncode 属性として格納されています。

これは次と等価です:

run(..., check=True)

(input 引数が無い点を除いて)

上記の引数は、もっともよく使われるものだけ示しています。関数の全使用法は大部分が Popen コンストラクターの内容と同じになります - この関数は、このインターフェースに直接指定される timeout 以外は与えられた全引数を渡します。

注釈

この関数を使用する際は stdout=PIPE および stderr=PIPE を使用しないでください。子プロセスが OS のパイプバッファーを埋めてしまうほどの出力データを生成した場合、パイプからは読み込まれないので、子プロセスがブロックされることがあります。

バージョン 3.3 で変更: timeout が追加されました

subprocess.check_output(args, *, stdin=None, stderr=None, shell=False, cwd=None, encoding=None, errors=None, universal_newlines=False, timeout=None)

引数でコマンドを実行し、その出力を返します。

コマンドのリターンコードが非ゼロならば CalledProcessError 例外が送出されます。CalledProcessError オブジェクトには、リターンコードが returncode 属性に、コマンドからの出力が output 属性に、それぞれ格納されています。

これは次と等価です:

run(..., check=True, stdout=PIPE).stdout

上記の引数は、もっともよく使われるものだけ示しています。関数の全使用法は大部分が run() の内容と同じになります - ほとんどの引数は直接そのインターフェースに渡されますが、親の標準入力ファイルハンドルの継承がサポートされていない場合は input=None を明示的に指定する必要があります。

デフォルトで、この関数はデータをエンコードされたバイトとして返します。出力されたデータの実際のエンコードは起動されているコマンドに依存するため、テキストへのデコードは通常アプリケーションレベルで扱う必要があります。

この振る舞いは、上記 よく使われる引数 で説明されているように universal_newlinesTrue を設定することでオーバーライドされます。

標準エラー出力も結果に含めるには、stderr=subprocess.STDOUT を使います:

>>> subprocess.check_output(
...     "ls non_existent_file; exit 0",
...     stderr=subprocess.STDOUT,
...     shell=True)
'ls: non_existent_file: No such file or directory\n'

バージョン 3.1 で追加.

バージョン 3.3 で変更: timeout が追加されました

バージョン 3.4 で変更: キーワード引数 input が追加されました。

バージョン 3.6 で変更: encoding and errors were added. See run() for details.

17.5.6. 古い関数を subprocess モジュールで置き換える

この節では、 "a becomes b" と書かれているものは a の代替として b が使えるということを表します。

注釈

この節で紹介されている "a" 関数は全て、実行するプログラムが見つからないときは (おおむね) 静かに終了します。それに対して "b" 代替手段は OSError 例外を送出します。

また、要求された操作が非ゼロの終了コードを返した場合、check_output() を使用した置き換えは CalledProcessError で失敗します。その出力は、送出された例外の output 属性として利用可能です。

以下の例では、適切な関数が subprocess モジュールからすでにインポートされていることを前提としています。

17.5.6.1. /bin/sh シェルのバッククォートを置き換える

output=`mycmd myarg`

これは以下のようになります:

output = check_output(["mycmd", "myarg"])

17.5.6.2. シェルのパイプラインを置き換える

output=`dmesg | grep hda`

これは以下のようになります:

p1 = Popen(["dmesg"], stdout=PIPE)
p2 = Popen(["grep", "hda"], stdin=p1.stdout, stdout=PIPE)
p1.stdout.close()  # Allow p1 to receive a SIGPIPE if p2 exits.
output = p2.communicate()[0]

p2 を開始した後の p1.stdout.close() の呼び出しは、p1 が p2 の前に存在した場合に、p1 が SIGPIPE を受け取るために重要です。

あるいは、信頼された入力に対しては、シェル自身のパイプラインサポートを直接使用することもできます:

output=`dmesg | grep hda`

これは以下のようになります:

output=check_output("dmesg | grep hda", shell=True)

17.5.6.3. os.system() を置き換える

sts = os.system("mycmd" + " myarg")
# becomes
sts = call("mycmd" + " myarg", shell=True)

注釈:

  • このプログラムは普通シェル経由で呼び出す必要はありません。

より現実的な例ではこうなるでしょう:

try:
    retcode = call("mycmd" + " myarg", shell=True)
    if retcode < 0:
        print("Child was terminated by signal", -retcode, file=sys.stderr)
    else:
        print("Child returned", retcode, file=sys.stderr)
except OSError as e:
    print("Execution failed:", e, file=sys.stderr)

17.5.6.4. os.spawn 関数群を置き換える

P_NOWAIT の例:

pid = os.spawnlp(os.P_NOWAIT, "/bin/mycmd", "mycmd", "myarg")
==>
pid = Popen(["/bin/mycmd", "myarg"]).pid

P_WAIT の例:

retcode = os.spawnlp(os.P_WAIT, "/bin/mycmd", "mycmd", "myarg")
==>
retcode = call(["/bin/mycmd", "myarg"])

シーケンスを使った例:

os.spawnvp(os.P_NOWAIT, path, args)
==>
Popen([path] + args[1:])

環境変数を使った例:

os.spawnlpe(os.P_NOWAIT, "/bin/mycmd", "mycmd", "myarg", env)
==>
Popen(["/bin/mycmd", "myarg"], env={"PATH": "/usr/bin"})

17.5.6.5. os.popen(), os.popen2(), os.popen3() を置き換える

(child_stdin, child_stdout) = os.popen2(cmd, mode, bufsize)
==>
p = Popen(cmd, shell=True, bufsize=bufsize,
          stdin=PIPE, stdout=PIPE, close_fds=True)
(child_stdin, child_stdout) = (p.stdin, p.stdout)
(child_stdin,
 child_stdout,
 child_stderr) = os.popen3(cmd, mode, bufsize)
==>
p = Popen(cmd, shell=True, bufsize=bufsize,
          stdin=PIPE, stdout=PIPE, stderr=PIPE, close_fds=True)
(child_stdin,
 child_stdout,
 child_stderr) = (p.stdin, p.stdout, p.stderr)
(child_stdin, child_stdout_and_stderr) = os.popen4(cmd, mode, bufsize)
==>
p = Popen(cmd, shell=True, bufsize=bufsize,
          stdin=PIPE, stdout=PIPE, stderr=STDOUT, close_fds=True)
(child_stdin, child_stdout_and_stderr) = (p.stdin, p.stdout)

終了コードハンドリングは以下のように解釈します:

pipe = os.popen(cmd, 'w')
...
rc = pipe.close()
if rc is not None and rc >> 8:
    print("There were some errors")
==>
process = Popen(cmd, stdin=PIPE)
...
process.stdin.close()
if process.wait() != 0:
    print("There were some errors")

17.5.6.6. popen2 モジュールの関数群を置き換える

注釈

popen2 関数の cmd 引数が文字列の場合、コマンドは /bin/sh によって実行されます。リストの場合、コマンドは直接実行されます。

(child_stdout, child_stdin) = popen2.popen2("somestring", bufsize, mode)
==>
p = Popen("somestring", shell=True, bufsize=bufsize,
          stdin=PIPE, stdout=PIPE, close_fds=True)
(child_stdout, child_stdin) = (p.stdout, p.stdin)
(child_stdout, child_stdin) = popen2.popen2(["mycmd", "myarg"], bufsize, mode)
==>
p = Popen(["mycmd", "myarg"], bufsize=bufsize,
          stdin=PIPE, stdout=PIPE, close_fds=True)
(child_stdout, child_stdin) = (p.stdout, p.stdin)

popen2.Popen3 および popen2.Popen4 は以下の点を除けば、基本的に subprocess.Popen と同じです:

  • Popen は実行が失敗した場合に例外を送出します。
  • capturestderr 引数は stderr 引数に代わりました。
  • stdin=PIPE および stdout=PIPE を指定する必要があります。
  • popen2 はデフォルトですべてのファイル記述子を閉じます。しかし、全てのプラットフォーム上で、あるいは過去の Python バージョンでこの挙動を保証するためには、 Popen に対して close_fds=True を指定しなければなりません。

17.5.7. レガシーなシェル呼び出し関数

このモジュールでは、以下のような 2.x commands モジュールからのレガシー関数も提供しています。これらの操作は、暗黙的にシステムシェルを起動します。また、セキュリティに関して上述した保証や例外処理一貫性は、これらの関数では有効ではありません。

subprocess.getstatusoutput(cmd)

Return (exitcode, output) of executing cmd in a shell.

Execute the string cmd in a shell with Popen.check_output() and return a 2-tuple (exitcode, output). The locale encoding is used; see the notes on よく使われる引数 for more details.

A trailing newline is stripped from the output. The exit code for the command can be interpreted as the return code of subprocess. Example:

>>> subprocess.getstatusoutput('ls /bin/ls')
(0, '/bin/ls')
>>> subprocess.getstatusoutput('cat /bin/junk')
(1, 'cat: /bin/junk: No such file or directory')
>>> subprocess.getstatusoutput('/bin/junk')
(127, 'sh: /bin/junk: not found')
>>> subprocess.getstatusoutput('/bin/kill $$')
(-15, '')

利用できる環境: POSIX および Windows

バージョン 3.3.4 で変更: Windows support was added.

The function now returns (exitcode, output) instead of (status, output) as it did in Python 3.3.3 and earlier. See WEXITSTATUS().

subprocess.getoutput(cmd)

シェル中の cmd を実行して出力 (stdout と stderr) を返します。

getstatusoutput() に似ていますが、終了ステータスは無視され、コマンドの出力のみを返します。例えば:

>>> subprocess.getoutput('ls /bin/ls')
'/bin/ls'

利用できる環境: POSIX および Windows

バージョン 3.3.4 で変更: Windowsで利用可能になりました

17.5.8. 注釈

17.5.8.1. Windows における引数シーケンスから文字列への変換

Windows では、 args シーケンスは以下の (MS C ランタイムで使われる規則に対応する) 規則を使って解析できる文字列に変換されます:

  1. 引数は、スペースかタブのどちらかの空白で分けられます。
  2. ダブルクオーテーションマークで囲まれた文字列は、空白が含まれていたとしても 1 つの引数として解釈されます。クオートされた文字列は引数に埋め込めます。
  3. バックスラッシュに続くダブルクオーテーションマークは、リテラルのダブルクオーテーションマークと解釈されます。
  4. バックスラッシュは、ダブルクオーテーションが続かない限り、リテラルとして解釈されます。
  5. 複数のバックスラッシュにダブルクオーテーションマークが続くなら、バックスラッシュ 2 つで 1 つのバックスラッシュ文字と解釈されます。バックスラッシュの数が奇数なら、最後のバックスラッシュは規則 3 に従って続くダブルクオーテーションマークをエスケープします。

参考

shlex
コマンドラインを解析したりエスケープしたりする関数を提供するモジュール。