8.2. calendar — 一般的なカレンダーに関する関数群

ソースコード: Lib/calendar.py


このモジュールは Unix の cal プログラムのようなカレンダー出力を行い、それに加えてカレンダーに関する有益な関数群を提供します。標準ではこれらのカレンダーは(ヨーロッパの慣例に従って)月曜日を週の始まりとし、日曜日を最後の日としています。 setfirstweekday() を用いることで、日曜日(6)や他の曜日を週の始まりに設定することができます。日付を表す引数は整数値で与えます。関連する機能として、 datetimetime モジュールも参照してください。

このモジュールで提供する関数とクラスのほとんどは datetime に依存しており、過去も未来も現代のグレゴリオ暦を利用します。この方式は Dershowitz と Reingold の書籍「Calendrical Calculations」にある先発グレゴリオ暦に一致しており、同書では全ての計算の基礎となる暦としています。

class calendar.Calendar(firstweekday=0)

Calendar オブジェクトを作ります。 firstweekday は整数で週の始まりの曜日を指定するものです。 0 が月曜(デフォルト)、 6 なら日曜です。

Calendar オブジェクトは整形されるカレンダーのデータを準備するために使えるいくつかのメソッドを提供しています。しかし整形機能そのものは提供していません。それはサブクラスの仕事なのです。

Calendar インスタンスには以下のメソッドがあります:

iterweekdays()

曜日の数字を一週間分生成するイテレータを返します。イテレータから得られる最初の数字は firstweekday が返す数字と同じになります。

itermonthdates(year, month)

yearmonth (1–12) 月に対するイテレータを返します。 このイテレータはその月の全ての日、およびその月が始まる前の日とその月が終わった後の日のうち、週の欠けを埋めるために必要な日を (datetime.date オブジェクトとして) 返します。

itermonthdays2(year, month)

yearmonth 月に対する itermonthdates() と同じようなイテレータを返します。生成されるのは日付の数字と曜日を表す数字のタプルです。

itermonthdays(year, month)

yearmonth 月に対する itermonthdates() と同じようなイテレータを返します。生成されるのは日付の数字だけです。

monthdatescalendar(year, month)

yearmonth 月の週のリストを返します。週は全て七つの datetime.date オブジェクトからなるリストです。

monthdays2calendar(year, month)

yearmonth 月の週のリストを返します。週は全て七つの日付の数字と曜日を表す数字のタプルからなるリストです。

monthdayscalendar(year, month)

yearmonth 月の週のリストを返します。週は全て七つの日付の数字からなるリストです。

yeardatescalendar(year, width=3)

指定された年のデータを整形に向く形で返します。返される値は月の並びのリストです。月の並びは最大で width ヶ月(デフォルトは3ヶ月)分です。各月は4ないし6週からなり、各週は1ないし7日からなります。各日は datetime.date オブジェクトです。

yeardays2calendar(year, width=3)

指定された年のデータを整形に向く形で返します (yeardatescalendar() と同様です)。週のリストの中が日付の数字と曜日の数字のタプルになります。月の範囲外の部分の日付はゼロです。

yeardayscalendar(year, width=3)

指定された年のデータを整形に向く形で返します (yeardatescalendar() と同様です)。週のリストの中が日付の数字になります。月の範囲外の日付はゼロです。

class calendar.TextCalendar(firstweekday=0)

このクラスはプレインテキストのカレンダーを生成するのに使えます。

TextCalendar インスタンスには以下のメソッドがあります:

formatmonth(theyear, themonth, w=0, l=0)

ひと月分のカレンダーを複数行の文字列で返します。 w により日の列幅を変えることができ、それらは中央揃えされます。 l により各週の表示される行数を変えることができます。 setfirstweekday() メソッドでセットされた週の最初の曜日に依存します。

prmonth(theyear, themonth, w=0, l=0)

formatmonth() で返されるひと月分のカレンダーを出力します。

formatyear(theyear, w=2, l=1, c=6, m=3)

m 列からなる一年間のカレンダーを複数行の文字列で返します。任意の引数 w, l, c はそれぞれ、日付列の表示幅、各週の行数及び月と月の間のスペースの数を変更するためのものです。 setfirstweekday() メソッドでセットされた週の最初の曜日に依存します。カレンダーを出力できる最初の年はプラットフォームに依存します。

pryear(theyear, w=2, l=1, c=6, m=3)

formatyear() で返される一年間のカレンダーを出力します。

class calendar.HTMLCalendar(firstweekday=0)

このクラスは HTML のカレンダーを生成するのに使えます。

HTMLCalendar インスタンスには以下のメソッドがあります:

formatmonth(theyear, themonth, withyear=True)

ひと月分のカレンダーを HTML のテーブルとして返します。withyear が真であればヘッダには年も含まれます。そうでなければ月の名前だけが使われます。

formatyear(theyear, width=3)

一年分のカレンダーを HTML のテーブルとして返します。width の値 (デフォルトでは 3 です) は何ヶ月分を一行に収めるかを指定します。

formatyearpage(theyear, width=3, css='calendar.css', encoding=None)

一年分のカレンダーを一つの完全な HTML ページとして返します。 width の値(デフォルトでは 3 です) は何ヶ月分を一行に収めるかを指定します。 css は使われるカスケーディングスタイルシートの名前です。スタイルシートを使わないようにするために None を渡すこともできます。 encoding には出力に使うエンコーディングを指定します (デフォルトではシステムデフォルトのエンコーディングです)。

class calendar.LocaleTextCalendar(firstweekday=0, locale=None)

この TextCalendar のサブクラスではコンストラクタにロケール名を渡すことができ、メソッドの返り値で月や曜日が指定されたロケールのものになります。このロケールがエンコーディングを含む場合には、月や曜日の入った文字列はユニコードとして返されます。

class calendar.LocaleHTMLCalendar(firstweekday=0, locale=None)

この HTMLCalendar のサブクラスではコンストラクタにロケール名を渡すことができ、メソッドの返り値で月や曜日が指定されたロケールのものになります。このロケールがエンコーディングを含む場合には、月や曜日の入った文字列はユニコードとして返されます。

注釈

これら2つのクラスの formatweekday()formatmonthname() メソッドは、一時的に現在の locale を指定された locale に変更します。現在の locale はプロセス全体に影響するので、これらはスレッドセーフではありません。

単純なテキストのカレンダーに関して、このモジュールには以下のような関数が提供されています。

calendar.setfirstweekday(weekday)

週の最初の曜日(0 は月曜日, 6 は日曜日)を設定します。定数 MONDAY, TUESDAY, WEDNESDAY, THURSDAY, FRIDAY, SATURDAY 及び SUNDAY は便宜上提供されています。例えば、日曜日を週の開始日に設定するときは:

import calendar
calendar.setfirstweekday(calendar.SUNDAY)
calendar.firstweekday()

現在設定されている週の最初の曜日を返します。

calendar.isleap(year)

year が閏年なら True を、そうでなければ False を返します。

calendar.leapdays(y1, y2)

範囲(y1 ... y2)指定された期間の閏年の回数を返します。ここで y1y2 は年を表します。

この関数は、世紀の境目をまたぐ範囲でも正しく動作します。

calendar.weekday(year, month, day)

year (1970–...), month (112), day (131) で与えられた日の曜日(0 は月曜日)を返します。

calendar.weekheader(n)

短縮された曜日名を含むヘッダを返します。n は各曜日を何文字で表すかを指定します。

calendar.monthrange(year, month)

yearmonth で指定された月の一日の曜日と日数を返します。

calendar.monthcalendar(year, month)

月のカレンダーを行列で返します。各行が週を表し、月の範囲外の日は0になります。それぞれの週は setfirstweekday() で設定をしていない限り月曜日から始まります。

calendar.prmonth(theyear, themonth, w=0, l=0)

month() 関数によって返される月のカレンダーを出力します。

calendar.month(theyear, themonth, w=0, l=0)

TextCalendarformatmonth() メソッドを利用して、ひと月分のカレンダーを複数行の文字列で返します。

calendar.prcal(year, w=0, l=0, c=6, m=3)

calendar() 関数で返される一年間のカレンダーを出力します。

calendar.calendar(year, w=2, l=1, c=6, m=3)

TextCalendarformatyear() メソッドを利用して、 3列からなる一年間のカレンダーを複数行の文字列で返します。

calendar.timegm(tuple)

カレンダーと直接は関係無いが、 time モジュールの gmtime() 関数が返す形式の時刻を表すタプルを引数に取り、1970 を基点とするエポック時刻で POSIX エンコーディングであると仮定して、対応する Unix タイムスタンプの値を返します。実際には、 time.gmtime()timegm() はお互いの逆関数です。

calendar モジュールの以下のデータ属性を利用することができます:

calendar.day_name

現在のロケールでの曜日を表す配列です。

calendar.day_abbr

現在のロケールでの短縮された曜日を表す配列です。

calendar.month_name

現在のロケールでの月の名を表す配列です。この配列は通常の約束事に従って、1月を数字の 1 で表しますので、長さが 13 ある代わりに month_name[0] が空文字列になります。

calendar.month_abbr

現在のロケールでの短縮された月の名を表す配列です。この配列は通常の約束事に従って、1月を数字の 1 で表しますので、長さが 13 ある代わりに month_abbr[0] が空文字列になります。

参考

datetime モジュール

time モジュールと似た機能を持った日付と時間用のオブジェクト指向インタフェース。

time モジュール

時間に関連した低水準の関数群。