20.13. smtpd — SMTP サーバー

Source code: Lib/smtpd.py


このモジュールでは、 SMTP サーバを実装するためのクラスをいくつか提供しています。一つは何も行わない、オーバライドできる汎用のサーバで、 その他の二つでは特定のメール送信ストラテジを提供しています。

20.13.1. SMTPServer オブジェクト

class smtpd.SMTPServer(localaddr, remoteaddr)

新たな SMTPServer オブジェクトを作成し、それをローカルのアドレス localaddr に bind します。このオブジェクトは remoteaddr を上流の SMTP リレー先とします。 localaddrremoteaddr のどちらも (host, port) タプルである必要があります。このクラスは asyncore.dispatcher を継承しており、インスタンス化時に自身を asyncore のイベントループに登録します。

process_message(peer, mailfrom, rcpttos, data)

このクラスでは NotImplementedError 例外を送出します。受信したメッセージを使って何か意味のある処理をしたい場合にはこのメソッドを オーバライドしてください。コンストラクタの remoteaddr に渡した値は _remoteaddr 属性で参照できます。 peer はリモートホストのアドレスで、 mailfrom はメッセージエンベロープの発信元 (envelope originator) 、 rcpttos はメッセージエンベロープの受信対象、そして data は電子メールの内容が入った(RFC 2822 形式の)文字列です。

20.13.2. DebuggingServer オブジェクト

class smtpd.DebuggingServer(localaddr, remoteaddr)

新たなデバッグ用サーバを生成します。引数は SMTPServer と同じです。メッセージが届いても無視し、標準出力に出力します。

20.13.3. PureProxy オブジェクト

class smtpd.PureProxy(localaddr, remoteaddr)

新たな単純プロキシ (pure proxy) サーバを生成します。引数は SMTPServer と同じです。全てのメッセージを remoteaddr にリレーします。このオブジェクトを動作させるとオープンリレーを作成してしまう可能性が多分にあります。注意してください。

20.13.4. MailmanProxy Objects

class smtpd.MailmanProxy(localaddr, remoteaddr)

新たな単純プロキシサーバを生成します。引数は SMTPServer と同じです。全てのメッセージを remoteaddr にリレーしますが、 ローカルの mailman の設定に remoteaddr がある場合には mailman を使って処理します。このオブジェクトを動作させるとオープンリレーを 作成してしまう可能性が多分にあります。注意してください。